平田寛 展 Block Architecture 静かな構え
那覇市壺屋、浮島通りにある「Luft shop」さんにて、建築の展示会を開かせて頂く運びとなりました。
今回は、独立当初から興味を持って取り組んでいた、コンクリートブロックを使った建築をテーマに、建築模型や写真、図面を展示いたします。
普段なかなか表に出さない、エスキス模型達も登場しますので、ぜひこの機会にご覧ください。
平田寛展
Block Architecture / 静かな構え
7/10 thu, 11 fri , 12 sat, 13 sun
7/18 fri , 19 sat, 20 sun , 21 mon
Luft shop
〒902-0065
沖縄県那覇市壺屋1-7-16,103
今回、展示を行うLuft shopさんについて
Luft shopは、デザイナーの真喜志奈美さん、桶田千夏子さんが運営するデザイン事務所「Luft」が、沖縄県那覇市の壺屋に開いたお店です。Luftがデザインした美しい家具や生活道具などを置いています。今回の展示では、平田寛展と並行して、Luftさんの美しいプロダクトの数々も、通常通り見る事ができますので、ぜひこの機会にお越しください。



「建築士の日 2025」タイムス住宅新聞掲載
2025年6月27日発行のタイムス住宅新聞に「建築士の日 家族で建築士」の特集として、記事が掲載されました。
タイムス住宅新聞さんのWEBサイトでも見ることができます。
https://sumai.okinawatimes.co.jp/commons/look/detail/23751
今回は記事では、パーソナルな部分について取材をして頂いたので、少し気恥ずかしいですが、ぜひご覧ください。
ご近所の鮫島夫妻も一緒に掲載されています。こちらもぜひ。

壺屋の店舗改修 project
育陶園が新たに店舗を構えることとなった。
場所は、那覇市の壺屋やちむん通り入口に位置する。
元々は60年にわたりカネナガ商事が営業をしていたが、移転に伴い空き店舗となることから始まる。
育陶園は壺屋の伝統と文化を大切にしつつ、
常に新しい挑戦を追求している窯元である。
新店舗でも、壺屋から何を提供できるのかを自問自答し、議論を重ねながらプロジェクトは進行している。
建物の構成は、1階に販売スペース。
2階にはイベントやワークショップを行うためのユーティリティスペースを設ける予定。
限られた予算と時間の中、はじめての店舗設計、
刺激的で、ただいま奮闘中。













那覇市民会館との対話
沖縄の建築家・金城信吉が設計した「那覇市民会館」 (1970年)は
2024年11月、解体工事が始まる。
「沖縄の建築とは何か!」
沖縄の民家建築の雨端空間を現代建築に再考し「光と影の建築」を表現した作品。
この作品は沖縄の現代建築の流れをかえていった。
『沖縄原空間との対話』より抜粋
那覇市民会館は、沖縄本土復帰宣言が行われた歴史的な場所であり、県民の集いの場として長く親しまれてきた。
また、戦後沖縄の近代建築に新しい流れを生み出した象徴的な建物として、後世の沖縄の建築家たちに影響を与えてきた。
解体を前に一度は内部を見ておきたかったが、老朽化のためそれは叶わず、最後にせめてその外観を心に刻み、写真に残そうと与儀公園へ向かった。
建物の前に立つと、激動の時代を乗り越えてきた建物のオーラに圧倒され、息を呑み、緊張しながら最初のシャッターを切った。
大きな影を落とす雨端の空間、周囲を囲む琉球石灰岩を積み上げたヒンプン、外壁や屋根に刻まれた陰影が、沖縄の風土を表し、「沖縄の建築とは何か!」という力強い問いかけが、形を持って目の前に迫ってきた。
シャッターを切るたびに、まるで対話しているような感覚に陥り、閉館してもなお存在感を増し聳え立つ建物を通して「君もまだまだだな」と語りかけられた気がした。
戦後沖縄の誇る偉大な建築物が失われるという喪失感とともに、ひとつの時代の終わりを改めて意識した。
金城信吉が生きた時代の沖縄とは、劇的に変わりつつある。
彼が「しまーみーらんなとーしが」(島が見えなくなっている)と当時の沖縄の現状や未来を案じ、葛藤していたように、現代を生きる私たちも、かろうじて残っていた沖縄の風景が、過剰な資本主義によって急激に消費されてゆく様を目の当たりにして、日々葛藤している。
物事の本質はどこにあるのかを、私たちの目でしっかりと見極めることが、今まさに求められているのかもしれない。
「沖縄の建築とは何か!」という問いかけを受継ぎ、まだ未熟ながらも自分もその問いと向き合い、踠き、表現していきたい。
那覇市民会館との最後の対話を通して、静かにそう誓った。























福山の家 Vol.1初期案
木造住宅のproject
敷地は沖縄県宜野座村にあり、ガラマン岳を望むことができる
床面積23坪の中で、住宅の機能とは別に、ゲストルーム兼将来的にピアノ教室として利用する”離れ”が付いており、前庭やアプローチ、玄関ポーチを共有している
母屋となる住宅スペースでは、条件の良かった北側に庭をとり、ほぼ全ての部屋からガラマン岳の眺望を望めるように計画した
無駄がなく、使い勝手の良い住宅となりそうだ







漢那のオフィス Vol.2 躯体の写真
漢那のオフィスのサポートが解体されて、躯体の姿が見えてきました
いまのこの姿が一番綺麗ではないかと思い、写真に納めておきました
アプローチの階段を登って中庭の部分に入ると、コンクリートブロックが組積された壁のせいか、いつの間にか遺跡に迷いこんだような不思議な感覚
室内側からは、中庭部分に落ちた光が間接的に入ってきて綺麗です
これからサッシや内装工事へと入っていきます












New project 敷地調査
沖縄は、一気に蒸し暑くなってきて
本格的な夏の到来が近いことを肌に感じています
先日、嬉しいことに
古くからの友人から
木造住宅の相談があり
敷地の調査を行なってきました
敷地は、沖縄県宜野座村にあり
村の象徴的な存在である
ガラマン岳を望むことができる場所です
敷地の問題や、要望などを丁寧に紐解いて
良い住宅が作れるように日々悩んでいる今日この頃です


KARNUHATA STAY project
1977年に建てられた
3階建て住宅のリノベーションproject
沖縄でよく見られる典型的なピロティ建築で
1階のピロティ部分に店舗を増築
2-3階の住宅部分をホテルへリノベーションする計画
那覇の中心地に位置しているが
周辺は静かな環境で、公園にも隣接しており
アクセスも良いため、宿を営む場所として
ポテンシャルの高さを感じる
川が近くを流れており
お施主さんによって
カーヌハタ (川の端)と名付けられた










Small church with courtyard
中庭のある小さな教会
周辺は住宅が建ち並んでおり
その為、デザイン的に強い主張はせず
住宅のようなボリュームでひっそりと佇む
この小さな教会には、二人のシスターの住居の機能もあり
小さいながらも外へと開かれた中庭を設け
中庭を介して住居と会堂が繋がり
中庭を介して地域と繋がっていく







「減築」という選択
ご近所で始まった「減築」の工事
ある日、郵便ポストに工事のお知らせが入っていて
「3階建ての建物を減築して平屋建てにする工事をします」との記載があった。
「減築」という文字に、思わず二度見した。
「減築」とは「増築」の反対、つまり建物を減らす工事のこと
建物の不要な部分を取り除いて、構造的な負担を減らすことで建物を長持ちさせる考え方で、少し前に建築業界では話題になっていた。
しかし「増築」をしたいという人は多くても
お金を出して「減築」をしたい人は少ないのか
少しずつ「減築」という言葉を聞く機会は無くなっていった。
これまで実際に相談を受けたことも無ければ、身の回りで減築をやっているというのをまだ見たことがなかった。
そんな珍しい「減築」が目の前で行われるというので、興味深く観察し始めた。
カメラを持って撮影をしていると
現場のおじさん達自身も珍しい工事だと思っているのか、色々と教えてくれた。
解体工事の前に、一階部分に補強を入れて、重機や解体の荷重に耐えられるようにしているのだとか。
単純に壊すよりも気を使うし、手間が掛かっている。
建物は60年前のもので、当時のコンクリートは手煉りでセメント量が多くて
なかなか頑丈にできているらしい。
どういった経緯でこの建物の所有者は「減築」を選択したのだろうか。
工事完了後には
「この建物は元々3階建てだったのですよ。」
なんていう会話が人々の間で繰り広げられるのだろうか。
工事が終わったら、色々聞きにいってみようと思う。



事務所周辺散歩
先日、自宅兼事務所のある那覇の街を散策してみました。
路地で見つけた白い建物に花ブロックとブーゲンビリア。
近々取り壊されそうな真和志支所
以前は消防署として使われていました。
金城信吉さんの名作 那覇市民会館
今は封鎖されて敷地内に入ることができなくなっています。
こちらも今後どうなるのか、個人的には大切に残していってほしい建築です。
最後に、ちょっと怖い与儀公園のベンチで昼寝するおじさん。
只今、住宅の設計依頼したい方を募集中です。
興味のある方は、お気軽にご相談ください。











台風6号の爪痕
先日、沖縄に到来した台風6号。
かなり久方振りの強い台風で、沖縄県内の多くの世帯が停電し、断水した地域も。
幸い、私の建物では停電はなかったのですが、光ケーブルが無惨に引き千切られて、復旧までに二週間を要しました。
やっと日常が戻ってきた感じではありますが、台風の爪痕が至る所に。
家族でよく出掛ける近所の公園では、大きな樹木がバタバタと倒木。
しばらく台風が来なかった間に、少し忘れていたけれど
台風の恐ろしさを再認識する機会となりました。
沖縄で建築を作る身として、安心して過ごせる建物を作れるように、改めて気を引き締めねばと考えさせられたのでした。






Block house project
コンクリートブロックを使用した住宅のプロジェクト
シンプルな箱型の ”STANDARD”
水平な屋根を強調した ”ROOF”
壁を強調した ”WALL”
3type、25坪の住宅で想定したコンセプト模型
沖縄とコンクリートブロックという素材の関係は深く、第二次世界大戦後のアメリカ統治下の時代、当時台風の被害に悩まされていたアメリカ軍は、資源の乏しい環境の中で生産でき、強風に耐える合理的な建築資材として量産を始め、コンクリートブロックの建物が続々と建てられていった。その建物群は一種の沖縄独特の風景へとなっていった。現代では、RC造が主流となったが、当時建てられたコンクリートブロック造の建物は、現在でも沖縄の歴史のおもかげを残している。
Block house projectでは、コンクリートブロックという素材を現代の建築へ再構築していく。元々素材が持っている表情を生かして、素材感をそのまま空間に現してみたり、箱型、屋根型、壁型など、敢えてひとつの形に規格化せず、様々な形態を生み出していくことで、沖縄建築の新たな潮流として派生させていければと考えている。








漢那のオフィス Vol.1 漢那集落と初期案
建設会社のオフィス計画。
敷地は、沖縄県宜野座村西部に位置する漢那区という集落の中にある。
この漢那集落は、北側と西側に山地、南側に集落のある低平地と自然海浜が延びている。
集落内は、海のある南側に向かって、碁盤目状に横一列で並んだ宅地割となっており、沖縄の古い集落の特徴をよく残している。
今回の計画地は、この集落の北側に位置し、山の麓部分に近い。周りを住宅に囲われており、道幅も狭いことで距離が近く感じる。
海抜が低く、集落の一番北側まで津波が上がってきたという古い記録もあり、山の湿気対策も兼ねて、思い切って床を地面から持ち上げ、高床式の建物とすることにした。
シンプルな箱型のボリュームに、南北に貫く中庭のスペースを差し込み、光や風を建築内部へと取り込む。この中庭は、従業員の交流のスペースとしても機能し、地域と間接的に繋がる場所となることを意図した。




「建築士の日」広告 タイムス住宅新聞掲載
本日、6月30日発行のタイムス住宅新聞に「建築士の日」の広告が掲載されました。
お手元にある方は、ぜひご覧下さい。


宜野座ヌルドゥンチ vol.3 豊年祭
宜野座区の豊年祭を見学させて頂きました。
新型コロナウイルスの影響により、3年ぶりの開催、縮小した形での旗頭でしたが、
鐘、ほら貝の響、太鼓の音、掛け声と活気、不思議と胸が高鳴るのを感じました。
昔は、部落(コミュニティー)のなかで同じ生活リズムで暮らし、地域の行事が行い易い環境だったものが
時代が変わっていく中で、それぞれの生活の違いがあり、伝統や文化を維持していくことは簡単ではないと思います。
その時代に合わせて少しずつ変化は受け入れつつも、永く続いていく事を願っています。







第8回 沖縄建築賞「タイムス住宅新聞社賞」
第8回沖縄建築賞にて、宜野座ヌルドゥンチが
大賞に次ぐ「タイムス住宅新聞社賞」に選ばれました。
この建物は、兄の平田歩(株式会社 平田設計)との共同設計にて行ったプロジェクトです。
今回、ヌルドゥンチの設計という貴重な機会に恵まれ、沖縄の歴史や文化、そしてこれからの在り方について、深く考えるきっかけとなりました。
宜野座ヌルドゥンチは、とても小さな建築ですが、その価値を評価して下さった審査員の方々、また、設計を託して下さった宜野座区の方々に、改めて感謝申し上げます。

「大久保の家」タイムス住宅新聞掲載
大久保の家が、8月19日発行のタイムス住宅新聞に掲載されました。
担当して頂いた記者さんの表現が独特で、個性があって面白い記事となっています。
タイムス住宅新聞社のWebsiteでも読む事ができますので、ぜひご覧になって下さい。
今回取材協力して下さったお施主さんに感謝です。

フェスティバルの面影を探して
1984年、那覇の国際通りに建築家 安藤忠雄 設計の「フェスティバル」という商業施設が存在した。
自分がまだ生まれる前のことだが、この建物は後に沖縄OPAとなり現在ではドン・キホーテ国際通り店へと姿を変えている。
フェスティバルは安藤忠雄氏の初期の作品で、”光と風と影が孕む箱”というコンセプトで安藤建築の中でも地域性を強く意識した作品だったが、他作品に比べて写真や資料が少ない作品でもある。
2019年、縁あってこの建物がある那覇市松尾に住むこととなり、目にする機会が増えて当時のことを調べるようになった。フェスティバル時代の写真を見ているうちに、オリジナルの空間をいつか体験してみたいとも思ったが、現状はなかなか難しい。ならば写真の中でなら面影を探すことができるんじゃないかと思い撮影を試みることにした。
1度目の撮影では、膨大な商品や広告などの色彩の多さ、店内に響く爆音などに圧倒され、現状空間への落胆の気持ちもあって一枚も撮れずに逃げ帰る結果となった。
その後、めげずに気持ちを落ち着かせてまた撮影へと向かう。雑多な色や音を自分の中で排除して集中して視る。カメラの設定をモノクロにする。
古い本の中で見たフェスティバルの面影がほんの少しだけ浮かび上がってきた。















「大久保の家」完成見学会のご案内
コロナ禍の厳しい状況ではありますが
お施主さんのご厚意で見学会を開催させて頂くこととなりました。
コロナウイルス感染予防の為、完全予約制でのご案内となります。
注意事項
・飛び込みでのご見学はできませんのでご了承ください。
・見学時マスク着用、手指除菌の対応をよろしくお願い致します。
・お子様の室内見学はご遠慮お願い致します。
・見学枠に限りがありますので、他社で設計または建設中の方はお控え頂きますようお願い致します。
2022.1.23(sun)
予約状況
① 10:00〜11:00 予約済み
② 11:00〜12:00 予約済み
③ 13:00〜14:00 予約済み
④ 14:00〜15:00 予約済み
⑤ 15:00〜16:00 ○
⑥ 16:00〜17:00 ○
⑦ 17:00〜18:00 予約済み
場所 沖縄県宜野座村(予約時に地図をお送りします)
お問合せ WEBサイトのcontact または instagramのメッセージからお名前と希望日時をお知らせ下さい。

大久保の家 vol.5 床塗装
2021年の年末
お施主さんに床の塗装を行って頂きました。
建築資材の高騰で建築工事費にも影響がでてきており、限られた予算の中で理想の家を実現するために、施主自身が家づくりに参加するというのもコストダウンのひとつです。
また、実際に家づくりに参加することは、商業化されてしまった現代で、お施主さん家族にとっても貴重な経験だと思います。





大久保の家 vol.4 家具の製作背景
大久保の家では、ダイニングテーブルの製作を行なっている。
きっかけは、お施主さんの実家から、
「いつか子どもが家を建てるときのために取っておいた」という木材を託されたことからはじまった。
支給木材の扱いはなかなか難しい。
樹種や寸法、木のひねり具合などを確認して、せっかくなら生活の中心になるダイニングテーブルが作れたらと思い、製材できそうな寸法を大まかに拾い出していった。
樹種は沖縄の県産材のリュウキュウマツとセンダンの木で、センダンはダイニングテーブルに、リュウキュウマツはベンチとして、家具の図面を作成し、家具屋さんに相談することとなった。
家具屋さんに木材の状態を実際に確認してもらい、まずは製材のみを受けてくれる工場探しと、虫食い跡があることや、部材が小さくてそもそも製材できないものなど、色々なハードルが出てきた。
どうにか製材所が見つかって実際に木材を切ってみると、白い斑点のような細かい空洞や、割れが出てきたり、画鋲が木の中に埋まっていたなど、予想外のことも多く、頭を悩ませた。
新たに良い材料を仕入れれば、クオリティの高いものができるが、多少欠点があっても、この材料を使うことが、お施主さんにとって何よりも価値のある物になるだろうと思い、そのまま製作へと進んでいくこととなった。





大久保の家 vol.3 棟上げ
大久保の家の棟上げ風景。
暑い中の作業、職人さん達に感謝です。
足場の上からみると、サトウキビの海の様。







宜野座ヌルドゥンチ vol.2 初期案
初期案では、屋根はシンプルな切妻屋根で、棟部分に切られたトップライトから自然光が差し込んでくるデザインとした。
最終的には元の建物の入母屋形式を継承したいという要望から、屋根の形状を変更し、ハイサイドライトから光を取り込むデザインとなった。
構造的には、屋根、柱、箱のシンプルな要素で構成し、以前あった手摺は設けずに、開かれた広い土間のスペースを設けている。



宜野座ヌルドゥンチ vol.1 設計背景
沖縄本島の中央部に位置する宜野座村。
ヌルドゥンチと呼ばれる建物の建替えプロジェクト。
ヌルドゥンチは、琉球王国時代にノロと呼ばれる女性祭司が各地に配置された際の、祭祀を行う拝所でありノロの住居でもあった。ノロ制度が崩壊した現代では、無人の建屋や拝所のみが設けられていることが多い。
現代においても、各地域で脈々と続いてきた祭祀の重要な祈願所であることには変わりなく、豊年祭などの諸芸能が奉納される場所として、沖縄県内の各地に残されており、宜野座ヌルドゥンチにおいても村の重要な場所として今も存在している。
今回は、築50年以上が経った宜野座ヌルドゥンチが、老朽化によって建て替えられる事となり、設計を行うこととなった。



大久保の家 vol.2 基礎工事
大久保の家の基礎工事風景。
畑だったということもあり、地面が掘り返されている可能性を考慮して地盤改良を施しています。
その後、基礎打設と埋め戻し。




大久保の家 vol.1 初期案
敷地一帯はサトウキビ畑に囲まれた長閑な風景。
当初から木造を希望しており、台風の影響を考慮し計画を進めた。
平面プランでは、ひとつの壁を境に、パブリックとプライベートの空間を明確に分割した。
これは沖縄の古い民家にみられる表座と裏座のように、人が集う機会が多い地域では理にかなっている。
大久保の家でも、人が多く集う事が想定されたため、パブリックスペースを出来るだけ広くとり、個室や廊下、水廻りなどは必要な寸法を検討しながら、無駄なく計画している。
外構では、道路側からの目線除けと台風の風除けも兼ねて、大きな一枚のヒンプンのような、コンクリートの壁を設置し、植栽と合わせて台風から建物を守って貰う計画としている。
また、台風の強い風の影響を受けにくくするため、なるべくシンプルな形状とし、必要な部分以外には軒を出さないようなデザインとした。


平田邸 vol.3 床材
限られた予算の中で、次第にコストカットの対象になったり、あまり主役になることが少ない床材。
今回は床材に対して、コストバランスを大きく振り切ってみる計画とした。
幅300mm、長さ3030mm、厚み30mmのダグラスファー材を使用して、生活している中で常に触れている床材を主役とし、その他の要素は脇役としてシンプルにまとめている。





平田邸 vol.2 内部解体
平田邸 内部解体の様子
古い建物のリノベーションの場合、配管や躯体の状態など、解体してみないと実際わからない部分が多い。
今ではほとんど見ないような鉄製の配線管なども出てきた。
事前にマンションの管理事務所から古い図面を閲覧させて貰い、配管ルートの予測もしていたが、実際は多少違っていたりするため、現場を見て配管ルートや排水勾配などの再検討を行っていった。
躯体の状態としては、一部床スラブのクラック補修は行ったが、基本的には良好な状態であった。
配管はかなり老朽化が進んでおり、ほかの部屋でも水漏れなどがあるということだった。
この計画では、これから長く使っていくことを考慮して、一度内部の解体を綺麗に行い、手間は掛かるが、配管や下地材などを一から作り直していく計画とした。



平田邸 vol.1 内部解体前
築37年のマンションリノベーション、内部解体前の様子
部屋は低層階に位置していて、南東側の大きな窓の正面にはアパートが隣接しているが、アパートからの目線は気にならない印象であった。東側の窓からは、野良猫がたむろする中庭のようなスペースが見え、南東側の窓と合わせて光と風が入ってくる。
玄関から入るとまず、閉じられた廊下のスペースが部屋を分断しており、全体的に薄暗い印象となっていた。そのため、窓から入ってくる貴重な自然光をいかに無駄なく取り込もうかということを考えていた。
低層階のメリットは、外からのアクセスのし易さにあって、エレベーターを介せずに出入りできる。これは工事においても、材料の搬入などかなり有利な点で、工事のし易さへと繫がる。
意外だったのは、低層階で周りが建物で囲まれていることで、室内の温度が安定しており、なぜか湿度も少なくてとても過ごしやすい。
台風時の影響も少なく、考えていたよりもメリットが多いことは嬉しい驚きであった。
















































